「周辺諸国進出の足がかり、ターゲットは現地ブランド」2015.09 vol.176

ベトナム編 周辺諸国進出の足がかり、ターゲットは現地ブランド -2015年9月の「Bplatz press vol.176」より-

ベトナム編 周辺諸国進出の足がかり、ターゲットは現地ブランド-2015年9月の「Bplatz press vol.176」より-


服や靴、かばんなどに使われるパーツを扱う商社。16年前、最大の得意先だった靴メーカーの倒産に直面し、多額の負債を抱えた。

危機的な状態の会社を立て直すべく、新たな商品に賭けた。洋服の前開きを止めるために使われるプラスチックホックだ。それまで使われていた金属製ホックに比べ安全性に優れる点を強調し、ベビー服向けを中心に採用が広がっていった。

受注増に対応するため日系アパレルメーカーの協力工場が多い中国に拠点を求めた。同社の役割は、プラスチックホックを取りつけるための専用機械を協力工場に納め、故障時の対応も行うことだ。

メンテナンス会社を設立して現地社員を採用し、日本で機械に関する技術教育を受けさせてから送り込む。すでに中国だけで数百の協力工場に千数百台もの機械を納めてきた。

日系アパレルメーカーがチャイナプラスワンを求め、東南アジアに生産をシフトしだしたのが5年ほど前のこと。新たな進出先として複数国を候補に挙げる中、「今後大きな発展が見込めるカンボジア、ミャンマー、インドネシアとのアクセスも考え、ベトナムを選んだ」と梶浦氏。

だが、すんなりとはいかない。まずは外資系企業としてベトナム政府に営業許可証を申請し、取得することが必要だった。雇用の創出につながりにくい商社のハードルは特に高い。現地での製造にはメンテナンスが欠かせないことを説明し当局に理解を求めた。

もう一つ苦労したのが人材だ。日本で採用したベトナム人男性を1年かけて研修したものの、独り立ちできないと判断し、断念。JETROの協力を仰ぎ、現地の人材紹介会社を介して女性社員を採用した。当初の目論見と比べ、数年設立が遅れた。

国内のベビー服向けプラスチックホックでトップシェアを持つ同社が今後狙うのが、プラスチックホックが浸透していないアジア、欧米のアパレルブランドだ。今年、香港に次いでアメリカにも営業拠点を設け、直接営業をかけている。

「まず東南アジアの現地ブランドにプラスチックホックを普及させることで、いずれ欧米の大手ブランドが東南アジアに攻勢をかけてくるときにはプラスチックホックしか使えないようにしておく」。長期的な視野で着実に布石を打っている。

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