無刻印ボタン、環境資材拡販-2019年12月12日の「繊研新聞」より-  

Mar. 17, 2020
SENKEN newspaper

カジテック 海外やホビー事業を強化

アパレルパーツ製造卸のカジテック(大阪市、梶浦昇社長)は今期、無刻印の樹脂ボタン「SPJ]や環境に配慮した資材の拡販、海外事業やホビー事業の強化に力を入れる。新型コロナウイルスの影響による経済環境の悪化が懸念され、安定的な業績の維持を目指す。
同社の20年1月期は、売上高22億1000万円(前期比3%増)だった。大手小売業とベビー向けの取り組みが増え、国内市場でプラスチックホックが拡大した。アパレル以外の販路も強化し、物流向け金具やカーシート用のホックで健闘した。
SPJは無刻印のフラットタイプで、後でレーザー刻印できる。原着素材で20色が揃い、カラーの豊富さが強み。昨年11月から本格的に販売を始め、デニムカジュアル市場やキッズ、ワーキング市場での販売を強めている。中国やベトナムでも差別化商材として投入する。
環境配慮型資材は、POM(ポリアセタール)樹脂の端材をチップに戻して使い切る樹脂ボタンが中心。ゴミを出さない取り組みに対応した。そのほかの原料にも注目し、ホック、ボタンのほかメッキ製品やテープ類などエコ商材を3月中に集約し、4月から提案を強める。
海外は、中国とベトナムを軸にアジアをカバーする。2月からベトナム販売拠点に日本人駐在員を派遣しており、ベトナムブランドの新規開拓など本格的な販売っと現地仕入先の確保を追求する。また、ホック打ち付け機のメンテナンス機能をミャンマーに昨年確立し、新たにバングラデシュやインドでも販売機能のあるメンテナンス代理店を探す。欧米向けは、メディカル系ユニフォームなど機能重視の市場に力を入れる。
ホビー市場では、コンパクトな樹脂ホック取り付け機を試験販売しており、扱う売り場が増えている。手芸分野で認知度を高めて業績に反映させる。
今期は「バブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災直後より厳しくなる」とみており、2年後に迎える100周年を見据え、ステップの年に位置づけて取り組みを着実に進める。