独自開発商品で勝負-2020年8月10日の「繊維ニュース」より-  

Aug. 18, 2020
THE SEN-I-NEWS

「ありそうでない」が鍵

服飾副資材商社のカジテック(大阪市中央区)は、独自開発したホックやボタンの拡販に力を入れている。既に独自の工夫で「ありそうでなかった商品」を幾つも投入し、実績を積んでいる。
同社の主力商品であるプラスチックホックを衣料品などに取り付けるハンドプレス機「チェリーレーベルミニハンドプレス」が今年4月、日本ホビー協会の「ホビー産業大賞」を受賞した。プラスチックホックが簡単にしっかりとズレることなく取り付けられる点が受賞の理由という。主に手芸用品店へ提案しており、将来的には海外市場向けも狙う。
糸留めボタンのように見えるホック「サンボタンスナップ」も開発した。子供服や被介護者ウエアでの採用を狙う。ボタンよりも着脱が容易なホックだが、被介護者には「健常者に見られたい」という思いがある。見た目をボタンのようにすることでこの思いに応えた。採用増を狙ってカラーバリエーションを増やしていく。
ジーンズ用のプラスチックボタン「サン・プラスチック・ジーンズボタン」は裏面だけ金属製にした独自商品。オール金属製と比べて重量が4分の1と軽い。豊富なカラー展開でカラーパンツやカジュアルユニフォームなどへの採用増を狙う。表部分にはレーザーを使ってロゴを刻印することもできる。
同社の商況は新型コロナウイルス禍でやや厳しい。非衣料向けの拡販や、こうした独自商品の開発で事業拡大を狙う。

2~7月 15%減収

カジテックの今上半期(2020年2~7月)業績は、前年同期比15%の減収だった。衣料品の景況感からすれば健闘と言える。梶浦昇社長は「コロナ特需とベビー向けが多いため」と分析する。
新型コロナ禍でマスクひもが手芸用品向けに売れ、主力のプラスチックホックもフェースシールド向けなどで販売量を伸ばした。海外市場向けも堅調だった。悪かったのはメンズやレディース向け。下半期も厳しさは続くと見るが、6、7月の市況がやや上向いてきていたこともあり通期で前年比10%減にとどめたいとする。20年1月期の売上高は22億円だった。長期的には50億円への拡大を狙っている。