サステと独自性が鍵-2021年8月30日の「繊維ニュース」より-  

Aug. 30, 2021
THE SEN-I-NEWS

サステ商材開発に意欲
―広報紙配布もスタート―

カジテックはサステイナビリティー商材としてごみ排出ゼロのプラスチックホックの訴求を強める。
同社の主力商材であるプラスチックホックは協力工場で生産する。製造段階で成形時に発生するランナー部を再粉砕し、バージン原料と混合、再び成形するというシステムを構築しているためごみが出ない。同工場は「エコテックススタンダード100」も取得している。
今後は再生原料使いのプラスチックホックの開発にも力を入れ、「来年か再来年には投入したい」(梶浦昇社長)とする。
プラスチックホック以外の服飾資材でもサステイナビリティー対応の商品開発を進めており、その情報を「カジサス広報」という広報紙にまとめ、顧客に配布している。月に2回発行し、環境配慮型のテープやひも止めなどの情報を発信し好評を得ている。今後は輸入品も掲載していく。
独自のアイデア商品開発も同社の強み。プラスチックホックを衣料品などに取り付けるハンドプレス機「チェリーレーベルミニハンドプレス」は日本ホビー協会の「ホビー産業大賞」を受賞したアイデア商品。ホックが簡単にしっかりとズレることなく取り付けられる点が受賞の理由という。主に手芸用品店へ提案しており、将来的には海外市場向けも狙う。

 

新型コロナ禍でも商品開発着々
—新常態への対応進める―

2021年1月期は売り上げ、売上総利益とも前年比5%減だった。新型コロナウイルス禍では健闘できたと思う。手芸用途が前半好調だったことや、大手SPA向けが後半から回復したこと、比較的堅調なアパレルやネット通販向けが多かったことがその要因。今上半期は前年同期比増収、利益は横ばいで、ほぼ一昨年並みに戻った。
下半期、来期の事業環境は非常に読みにくい。機動力の高さ、プラスチックホックの業界シェアの高さ、メーカーとの製販一体機能などを強みに乗り切りたいと考えている。
最も懸念するのが原材料の高騰と不足。新型コロナ感染が落ち着いてくれば消費は喚起されると思うが、原材料の不足によりモノが作れないのではどうしようもない。仕入れの前倒しなども検討していく。